近い将来に必ず来ると言われる大地震。私は近くに海も川もあるので、津波や堤防の決壊で生活できなくなるのではといつも心配しています。そこで特に最近考えているのが飲料水の確保です。大人は1日3リットル消費するとして最低3日分、大規模災害発生時には1週間分を備蓄するよう国は 勧めています。

それでも予想は外れるもの。もし、給水車も機能しないほどの災害で、家庭備蓄が切れてしまったらどうするのでしょう。もう本当にどうしようなくなったら、川なり海なりの水を飲むしかありません。
そんな場合に備えて、携帯用浄水器があちこちで紹介されていると思います。しかし、個人的にはこの手の浄水器で作られた水は飲みたくありません。というのも、携帯用浄水器の多くで利用されている中空糸膜やイオン交換樹脂の有害物質除去能力はそれほど高くないからです。
例えば、以下の東京都の試験は2000年のもので少し古いですが、携帯用浄水器9点の大腸菌・ウィルスの除去性能を検証した結果、
現行の飲料水水質基準を満たす浄水性能は確認できなかった
http://www.tokyo-eiken.go.jp/assets/issue/journal/2000/pdf/51-48.pdf
という結論を得ています。
地震が発生した後は、様々な流出物が生じます。大腸菌・ウィルスどころではなく、重金属、油、塩素化合物などが海・河川・井戸水に流れ込む可能性が考えられます。重金属や化合物は大腸菌に比べればずっと小さいです。大腸菌すら通してしまう可能性がある携帯用浄水器で作った水を飲みたいとは思いません。まぁ、正確には金属イオンはろ過材に吸着される可能性があるので、大きさだけでは比較できないのですが、それでも漏れ出てくるでしょうから嫌です。
となれば、もっと目の細かいフィルターを使うしかありません。それが逆浸透膜です。
逆浸透膜の原理は他のページにお譲りするとして、その穴の大きさはなんと2ナノメートル以下。
ウイルスで現在最も小さいとされるピコルナウイルスやパルボウイルスでも大きさは約20ナノメートルであり、逆浸透膜の孔より確実に一桁は大きいため、逆浸透膜は破損がない限り水から全ての病原菌やウイルスを除去できるものと考えてよい。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%86%E6%B5%B8%E9%80%8F%E8%86%9C#%E5%8E%9F%E7%90%86
と言われています。しかし、逆浸透膜を利用した浄水器というのは普通は備え付けのもので、なかなか携帯サイズのものはありません。しかし、ギリギリ携帯可能な大きさに収めた製品がいくつかあります。その中でも、これまでの実績がピカイチなのが、レスキューアクア911です。

逆浸透膜はその性質から高い圧力をかけなければ浄水ができません。また、使用時には浄水された水だけでなく、汚水(浄水前の水の有害部分が濃縮されたもの)が出るという特徴があります。この製品は高さ51cmのボディの中に、ポンプやフィルタ、排水用のチューブなどがコンパクトにまとまっており、非常に使いやすくなっています。
しかし、ネックはそのお値段。公式ホームページのオンラインショッピングの税込価格で162,000円です。うーん。ちょっと中々すぐに手がでる価格ではありませんが、安心には買えられませんから、十分に購入を検討する価値はあると思います。楽天ではメーカー直販ながら、少し割引価格で購入できるようです。